溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
裕美は粘ったが、自分を無視して仕事を続ける俺に業を煮やして、怒って帰ってしまった。

裕美は帰ったが、七海は給湯室から出て来る気配がなかった。

時折見せる憂いのある表情の意味が少し分かった気がした。

誰にも俺にだって言いたくない過去だよな。

七海が元風俗嬢だと知って、一瞬は反応に戸惑ってしまったが、時間が経つにつれ、俺の知らなかった七海を知り、理解を深めて嬉しさが込みあげて来た。

本当に人を愛したら、こんな風に自分の都合のいいように受け取ってしまう短絡的思考に変わってしまうんだと自分でも驚いてしまった。


< 42 / 136 >

この作品をシェア

pagetop