溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
擬似パパ
私は直接、奏弥さんの携帯に連絡して、約束した。


日曜日の代々木公園で奏弥さんと待ち合わせをした。

インディゴのストレートジーンズに白いTシャツにグレーのパーカーを羽織ったラフな格好。
京弥院長よりもやや背は低め、でも、顔立ちは同じイケメンで、茶髪の髪が歳よりも若く見える。
「はい、奏多君にプレゼント」
彼の最大の魅力は屈託のない笑顔。
奏弥さんは新しいサッカーボールを奏多にプレゼントしてくれた。

「貰っていいの?」

「いいよ…奏多君にあげようと思って買ったんだもん」

「本当にありがとう御座います…」
「いいよ…別に…遥には部屋の掃除するから出て行ってくれと言われたから…丁度いい用事が出来て、嬉しいよ」
「遥さんも休みだったんですか?じゃお二人でお出かけとかしたかもしれませんね。すいません」
「いいよ…謝らなくても…」
奏弥さんは笑顔で返した。
京弥院長も奏弥さんも父親に似て、優しかった。

奥さんの遥さんは同じ東亜の新生児科医。
NICUの担当医師として、未熟児で生まれた赤ちゃんたちのケアを行っていた。

二人の間には子供が居ない。
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