陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
「入学式のときにさ、ちょっとムカつく光景目にしちゃったから強気対応してたんだけど、それ颯くんに見られててさ……『強い女』って笑われちゃったんだよね」
笑う?
「あ、嘲笑って感じじゃなくてすごいなって感じの笑いだけどね」
笑うってちょっと酷いんじゃ、と思っていたのが顔に出てしまったのかな?
椎菜さんは慌ててそう付け足した。
「で、その笑顔にキュンとしたのが最初なんだけど……でも好きな男の子には可愛く見られたいでしょ? だからその最初の“強い”って印象が薄まるの待ってるところだったの」
照れ臭そうに話した椎菜さんは普段の強気も鳴りを潜め、ただただ可愛い恋する乙女だった。
「……椎菜、可愛い」
花穂なんて思わずギュッと彼女を抱きしめている。
いや、だから馴れ馴れしすぎない?
花穂の人との距離感がおかしくて突っ込みたくなる。
でもやっぱり二人は気が合うのか、椎菜さんは嫌がってはいなかった。
そんな様子を眺めつつ、一昨日のことを思い出す。
「ああ、そっか。だから椎菜さん告白する勇気が出るまで颯くんの告白を受け入れないでほしいって言ってたんだ」
そう納得の声を上げると、「うん。そう言うこと」と苦笑していた。
笑う?
「あ、嘲笑って感じじゃなくてすごいなって感じの笑いだけどね」
笑うってちょっと酷いんじゃ、と思っていたのが顔に出てしまったのかな?
椎菜さんは慌ててそう付け足した。
「で、その笑顔にキュンとしたのが最初なんだけど……でも好きな男の子には可愛く見られたいでしょ? だからその最初の“強い”って印象が薄まるの待ってるところだったの」
照れ臭そうに話した椎菜さんは普段の強気も鳴りを潜め、ただただ可愛い恋する乙女だった。
「……椎菜、可愛い」
花穂なんて思わずギュッと彼女を抱きしめている。
いや、だから馴れ馴れしすぎない?
花穂の人との距離感がおかしくて突っ込みたくなる。
でもやっぱり二人は気が合うのか、椎菜さんは嫌がってはいなかった。
そんな様子を眺めつつ、一昨日のことを思い出す。
「ああ、そっか。だから椎菜さん告白する勇気が出るまで颯くんの告白を受け入れないでほしいって言ってたんだ」
そう納得の声を上げると、「うん。そう言うこと」と苦笑していた。