陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
「ああ……その方がたぶん、美夜も辛くないだろうから」

「ん……わかった」

 実際にはもうよく分からなくなってきていたけれど、もう陽呂くんにぜんぶあげるって決めたから。

 だから、言うとおりに頭をちょっと横に傾けて、首筋に誘った。


「美夜……俺の“唯一”。……俺の月……」

 愛おしそうに陽呂くんがあたしを呼ぶ。

 その顔が、あたしの首筋に埋もれた。


「大好きだよ、美夜」

「ん……」

 甘い言葉を口にした唇が、あたしの首筋に甘く優しいキスを落とす。


 いつもの、いただきますの合図。

 そして牙が立てられる。




 あたしの大切で大好きな陽呂くん。

 陰キャな彼は、あたしだけに甘く咬みつく――。


END
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