榊一族

日記から…

「なかなか鋭いんですね。」

「やあだ、褒めても何も出なくってよ。」

えりさんはとても嬉しそうに俺を叩いた。

えりさんは暇なので手伝うと言ってくれた。

まぁ相変わらず露出度の高い服装をしているが…いいか。この家のことも何か解りそうだ。

俺たちは引出しをあけて探っていた。

すると…

古い日記帳が出てきた。分厚くて茶色い表紙だ。

「あら、あの方、日記つけてたのね。知らなかったわ。」

確かに、表紙には美鈴秀と書かれている。

「読んでいいんでしょうか?」

「いいんじゃなぁい?」

えりさんは面白そうだった。

中を見てみると日にちは6年前の4月1日からになっていた。

4月一日
今日は榊家の依頼で家長の肖像画を描くことになった。…

もうちょっとページをめくってみた。

一年後の4月一日
総一郎さんに依頼されたのは去年の今日だ。…不思議な感じがする。もうこの家を我が家だと思っている。…

うーん…ふつうだな。

そういえば、事件が起こり始めたのは5年後だと言ってたな。

俺はさらにページをめくった。

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