GET BACK TOGETHER
電話も繋がらないから、とりあえず絵麻の家に向かおう。

絵麻の家に着いた丁度その時、玄関の扉が開いた。

出てきた人物が一瞬誰だか分からなかった。

だってずっと肩まであった髪が無くなっていたから。


俺が絵麻の髪が好きだと言った日、頬を紅く染めてずっとこの髪型でいるって絵麻は言ってくれた。

俺がそれを言ったあの高校二年生のあの日からずっとその髪型だった。

今の絵麻には俺の大好きだった艶やかな長い髪は無い。


その髪を簡単に切れるほど、もう俺には未練も何もないわけ?

それとも好きな男に切れとか、短い方が好きだとか言われたわけ?


俺達の五年間はなんだったわけ……?


その時、ふと昔に聞いた言葉が頭に甦った。


『ぶりっ子で男を手玉にとるタイプ』


絵麻はいつもふわふわしているイメージを俺は持っていた。

柔らかい綿のような。

優しく包み込んでくれるけれど、それでいて簡単に掴めない様な。

絵麻が人と話すのが苦手だというのもあるかもしれない。

自分の気持ちや考えを伝えてくれないせいもあるかもしれない。
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