GET BACK TOGETHER
俺も二人に続いて中に入ると、ベッドの上に無造作に置かれた本に気付いた。
気になった俺は歩み寄り、それを手に取った。

表紙には母子手帳と書いてあった。
中を開くと母親の欄には絵麻の名前、父親の欄は空白だった。

それを見たら、胸には激しい痛みが走った。

その時、ヒラリと落ちた紙。
拾いあげると白黒の写真。

これって……もしかしてエコー?
真ん中の白いのは、赤ちゃん……?

それに気付いた俺の胸には引き裂かれそうなくらい痛みが走る。

あの時、自分も追い詰められていたからって俺はなんてことを言ってしまったんだ。

言葉の重さと重要さを痛感した。


「絵麻を探しに行こう」

榊原の声が焦っているように聞こえて、振り返って榊原の顔を確かめる。
榊原の憂虞《ゆうぐ》しているような顔に俺の心もざわつき始める。

おそらく絵麻はこれを見ていて、ここから飛び出した。

俺ですら苦しい。

この母子手帳は乱雑に置かれていた。

じゃあ、今の絵麻の心境は……?
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