GET BACK TOGETHER
「買い物に行こう」

家事を済ませた後、絵麻を散歩に誘った。

絵麻は俺を無視するから手を強引に掴んでコートを着せると外に連れ出した。


「もうちょっとで暖かくなるかな」

「……」

まだ二月の終わり。
コートやマフラーが欠かせない季節。

「絵麻、手、冷たいね」

「……」

握っている絵麻の指先は氷のように冷たい。

絵麻は昔から冷え性だった。
だから寒い季節はいつも俺は絵麻の手を握ったまま自分のコートのポケットに入れて温めてあげていた。
俺は絵麻の手を握ったまま自分のコートのポケットに俺の手と一緒に入れた。

「懐かしくない?これ」

「……やめて!」

絵麻は突然声を荒げると俺のポケットから手を引っこ抜いた。

「もう、私のことなんて、放っといて……」

絵麻は目も合わさず肩を震わせている。

「絵麻……」

「私は忘れたいの!」

絵麻は叫ぶと突然踵を返して走り出した。
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