相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「いえ・・・」

「貴方の話は色々と勉強になりました…」
「そう言って下さると主催者側としては嬉しい限りです。高屋さん」

「ちなみに槇村先生はお幾つなんですか?」

「あ…私は二十九歳です…奏弥さんは三十一歳です」

「俺よりも一つ下ですか…もう少し下かと思ってました…お二人にはお子さんは?」

「居ないです・・・」

初対面で話す会話の中に時折入って来る子供の有無。
私は笑顔を添えて、高屋さんに返した。

「そうですか…」
悪気がないのは分かっている。

こうして、ステージに上がって偉そうに赤ちゃんの話をしているだもん。

一人ぐらいいるんじゃないかと皆思ってしまうよね…

「じゃ失礼します…」

高屋さんは自分のシートに戻った。

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