相思相愛マリアージュ（前）～君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です～

本当に奏弥さんはいつでも無茶をする。

そして、不可能の可能にする人。あれは奏弥さんだからこそ、救えた。

私は今でもそう思っている。

「俺が責任取るって…高木先生を説得したのよ…本当にこの人はいつも無茶をするのよ…」

「俺は賭けに勝ったんだ。こうして、高屋夫人と雅君は生きているだろ？高屋副社長だって・・・」
雅君と面会を終わらせ、出入り口で私は高屋夫人の感染防止用のガウンの着脱を手伝った。
ガウンを脱いだ高屋夫人。

私達に真剣な眼差しを注ぐ。

「こうして…雅には会えました…今度は夫に会いたいです。ダメですか？」

「高屋副社長との面会は高屋社長に訊かないと」

「そうですか…」


「夫妻と話をして、もう少し君のカラダが回復したら、対面の手はずは整えよう…だから、それまで待ってくれないか？」

「分かりました…ありがとう御座います…槇村先生」