相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
俺は疲れたカラダを引きずって、冷蔵庫に入っていたペットボトルのミネラルウォーターを兄貴に渡した。

「サンキュー…奏弥・・・そうだ・・・ 佑介様から話される前にお前に話しておきたいコトがある」

「何だ?」

俺も兄貴と同じペットボトルのミネラルウォーターで乾いた喉を潤していた。

「実は・・・和香は俺の娘じゃないんだ…」

俺が飲んでいたミネラルウオーターを吐き出してしまった。

「おいっ!?汚いぞ…奏弥」

「兄貴がいきなり…そんなコト言うからだ…」

じゃ何で、兄貴と結香さんは結婚したんだ?

「和香は高坂院長の兄の娘だ・・・」

「えぇ~っ!?」

「・・・高坂院長の兄は自殺じゃない他殺だ…」

「どうしてそう言い切れるの?」

「……彼のカラダには防御創でできた傷があった。最後は銃で胸を打たれ、死亡したんだ」
「・・・」

「・・・高坂院長の兄が死んだ後…直ぐに大きな麻薬組織が摘発されたコト憶えているか?」

「えっ?あ・・・あれは確かフィリピンを拠点にした組織だったな・・・」


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