相思相愛マリアージュ（前）～君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です～

突発的な大事故の教訓を生かして、まずは夜間体制でのグレートAのシミュレーションを試みた。

「あれ?遥は？？」

産科、新生児科、麻酔科、外科、救命救急科のメンバーは救命に集った。

一緒に居たはずの遥が居なくて、辺りを見回した。

「私は此処です…」

とストレッチャーの上で寝ている遥がカラダを起こした。

「もしかして…今日は遥が妊婦役？」

「俺の提案だ…槇村」

「高木先生」

「…奥さんと子供が命の危機だと思えば、お前の技量も限界突破する。違うか？」

「あのねぇ～俺だけの技量を上げても…皆の力も上げないと時間は早くなりませんよ…高木先生」

「それは分かってる…良し…シミュレーション開始するぞ！！」

高木先生を中心に訓練が始まる。

時間の空いた時はこうして技術向上の為、訓練を繰り返した。