相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「奏弥の目は響にそっくりだ。それに響と同じで奏弥は人を和やかにする癒しのオーラがある。アイツに似ていたら、どうしようかと思った」
「!?」
「独り言だ・・・」

「奏弥さんの全てがお義母さんに似てるってコトですね…」

「そうだな…」
奏弥さんは何処に行っても、人を和ませてしまう。あれだけ忙しい産婦人科医局はいつ見ても彼が居るだけで、明るいし、和やかだ。

「・・・京弥の名前は私が付けたんだが、奏弥の名前は響が付けたんだ。
ピアニストの響は音に関係した名前を付けたいと言っていた。
性別は事前に分かっていたし…音楽は人を和ませるし…癒すだろ?」

「で、奏弥なんですね」



「あぁ」

「遥、肉焼けたぞ」

奏弥さんが私を大声で呼ぶ。

「あ…ゆっくり食べて下さい…また、持ってきます」

槇村家で過ごした楽しい時間は瞬く間に終わった。

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