敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
その中でひとつ気に入るものが見つかる。ホワイトゴールド素材のリーフ型フープピアスで、先端に小さなダイヤモンドが一粒あしらわれているものだ。上品なデザインだが耳に着けるとキラキラ揺れてかわいかった。でも値段はゼロが五つとそれなりに高価で悩んでしまう。

「それがいいのか?」

「うん、まあ……」

仁くんに訊かれ、あいまいに答えた。買えないことはないけれど、さすがに即決できない価格だ。

すると仁くんは「ではこれをください」と店員さんに申し出た。

「えっ」

「買ってやるよ。初デート記念だ」

微笑む仁くんに、店員さんはピアスをプレゼント用にラッピングしてくれた。

おろおろする私に、紙袋が手渡される。

「仁くん、本当にもらっていいの?」

「ああ」

「ありがとう……」

私はドキドキしながら仁くんに上目遣いを向けた。

まさかプレゼントしてくれるとは思ってもみなかったけれど、すごくうれしい。

「よく似合ってた」

「今度は絶対になくさないように大切にするね。あっ、私からもなにかお返しするよ」

私からも初デート記念のプレゼントを仁くんにあげたい。

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