敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「なら、そこのクレープがいい」

仁くんが指さしたのは、私が大好きなクレープ屋さんだった。

「え、お昼ごはん食べたばかりだよ?」

「美玖はおなかいっぱい?」

「クレープは別腹だよ」

即答した私に、仁くんは小さく噴き出した。

実はさっきからクレープが食べたいと思っていたのを見抜かれていたのかもしれない。

甘いものが苦手な仁くんには海老とアボカドのクレープを、自分にはフルーツと生クリーム、カスタードがたっぷり入ったクレープを買う。

「はいどうぞ」

仁くんに手渡し、私は大きな口を開けて頬張った。

「おいしいー」

一緒にいるのが仁くん以外の男性だったら、視線を気にして食後にこんなにボリューム満点のクレープを食べられなかっただろう。

でも仁くんだから、私はありのままの自分でいられる。なにもかも知られている彼の前で、今さら取り繕うことはなにもない。

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