敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
仁くんがファーストクラスのチケットを用意してくれたので、専用のラウンジで搭乗時間まで優雅なひとときを過ごす。私にとって初めてのラグジュアリーな体験で、フライト前から高揚した。

直行便で十三時間の空の旅は最高だった。ドア付きの個室型シートは完全にプライベートな空間で、座席はフルフラットになり、雲の上にいるとは思えないくらいリラックスできた。

日本とニューヨークの時差とフライトの時間はほぼ同じなので、出発したときとあまり変わらない時刻に到着する。

午後二時過ぎ、空港からマンハッタンの中心部にある超一流ホテルに直行し、落ち着く間もなく夕方に控えているレストランでの食事会の準備に取りかかった。

「美玖、時差ボケは大丈夫か? すまないな、バタバタして」

スイートルームにやって来た日本人の着付け師さんに着物を着せてもらっていると、仁くんが申し訳なさそうな顔をした。

「全然大丈夫だよ。飛行機すごく快適だったし」

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