年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
今回は13時間の長期フライトだ。まだ見ぬ海外に思いを馳せて、お決まりの空港での写真を撮って”いってきます☆”のコメントと共にSNSへ上げた。

ああ、楽しみだ。
ガイドブックのおまけのように載っている観光に使える英会話を熟読しながら私は飛行機の旅を楽しむ。

機内食を堪能していると、ピロンと携帯にメッセージが入った。潤くんからだ。

【ロンドンか。いいね。到着時刻教えて】

「うえっ?!」

思わず変な声が漏れる。なぜ行き先がロンドンだとわかったのだろう。と、自分が投稿した写真を確認してみると電光掲示板が写りこんでおり、行先にLONDONとしっかりと表記されていた。

それにしても、到着時刻なんて聞いてどうするのだろう。相変わらず物好きなやつめ。

私は鼻で笑いながら時間を伝え、ついでに飛行機の窓から見える空と翼の幻想的な写真を一緒に送った。こんな光景を見られるのは飛行機に乗った人の特権だよね。潤くんにも少しだけ分けてやろう。

私は優越感に浸りながら長時間のフライトをゆったりと過ごしたのだった。

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