君の言葉で話したい。
15話 世界
雨泽は自分にとって、
世界だった。
今でもそれは変わらないーー

親に反対されて、
半ば家出のように中国を飛び出した。
日本のような災害の多い国に、
行くのは辞めろと何度も説得されたが、

紫涵にとって、
そんなことはどうでもいいことだった。

日本がどんな恐ろしい国であろうと、
関係ない。

雨泽がいる場所が、
自分のあるべき場所。
そう信じて疑ったことは一度足りとも、
なかった。
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