俺がお前を夢の舞台へ
大柳先生と小泉先生と3人で作戦会議をしているけど、その表情は浮かない。


拭っても拭っても汗が止まらないのか、仕切りにタオルで顔を拭いている。


「彩絢さん、見すぎです」


「あっ、ご、ごめん」


慌てて試合に意識を戻す。


「さすがタローですよね。2ストライクからフルカウントまで持ち込んで粘ってるんです」


菜々子ちゃんがキラキラした目をバッターボックスに向けている。


菜々子ちゃんはタローの彼女だけど、それを感じさせる振る舞いは滅多にしない。


よくできたマネージャーだと常々思う。


私とは大違いだ…。


「おっ!!」


タローが跳ね返した打球は、内野の頭を越え、外野の頭も越えて落ちた。


タローが一塁を蹴って二塁で止まる。


菅野くんからヒットを奪えたのは大きい。


ここで5番の尚輝くんが打てればいいけど…。
< 250 / 434 >

この作品をシェア

pagetop