俺がお前を夢の舞台へ
「…野球を避ける理由は、楽しくないから。お前を避ける理由は、俺のプライベートにズカズカ入り込んでほしくないから。…それと、蒼空とは何もない。反りが合わないだけ。これで満足か？」


……っ！！


あしらうようなテキトーな口調で投げだされる言葉。


やっぱりおかしい。


勇翔はこんな人じゃないよ…。


「…私…勇翔が野球をしてる姿、好きだよ。すごく楽しそうに動いてる勇翔が好きだった」


生き生きしながらグラウンドを駆け回る姿がカッコよかった。


「……蒼空は、勇翔の力を必要としてるよ。性格が合わないって言ってたけど、実力は認めてるんだよ」


「だから何？野球部に入れって？」


それは…。


たしかに…私ったら何を話しているんだろう。


「ごめ─」


「お前は、人の気持ちを考えない自己中な発言をしてるんだ。何度も言わせるな。俺は野球に興味はない。野球部には入らない」


“自己中”


実際にそう言われるとショックだった。


それも、勇翔から言われたことが。
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