あなたの写真が欲しくて……
あ!
晃司先輩だ!

私は校門を数名の男子とふざけながら出て行く先輩を見つけた。

互いに背中を押したり、頭を小突いたり、なんだかとても楽しそう。

と、思っていたら、跳ね回る晃司先輩の後ろポケットから、何かが落ちた。

でも、誰も気付かない。

私は、慌てて駆け寄って、それを拾い上げる。

これは……

パスケースに入った電車の定期券。

顔写真付きの年間定期券だ。

すぐに追いかけて返さなきゃ!

そう思ったものの、ふと悪魔が私の心に囁く。

その顔写真、欲しくない?

年間定期券は、数百円の手数料で再発行が可能。

返さなくても、そんなには困らないはず……



私の中で、徐々に悪魔の囁きが大きくなっていく。

< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop