隣の不器用王子のご飯係はじめました
この物語のヒロインの言動にかなりの既視感があった。
ヒロインが、ひょんなことから隣の家に住むヒーローにご飯を作ってあげることになった話。
ヒーローである“ヒロキ”の性格もそのまま遠坂くんで……。
「せーかい!やっぱりわかったかぁ」
「わ、わかりますよ!」
遠坂くんが私にこの漫画を見せたがらなかった理由がわかった。
もちろんこれは少女漫画だから、“アカリ”と“ヒロキ”は恋に落ちるわけで。
……うわあああ。そりゃ嫌だよね!勝手に私の恋人にされちゃうのは!
ていうか、こんな漫画を描いたレナさんは、もしかして私の気持ちを知ってるのでは……?ちょっと怖くて聞けない。
色々な思いが頭の中をぐるぐるして、私はようやく絞り出すような声で言った。
「すごく……面白かったです……」
本当に感情移入しまくりで!!
私をモデルにしているんだもん。今まで読んだどんな作品より感情移入しやすかったですとも。