ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「一口くらい食べてあげたらいいじゃないですか。はい、お茶どうぞ」

ドンッと私の前にお茶をおいた。
なぜか湯呑みではなく、大きめのティーカップになみなみとお茶がはいっている。
ちらりと有里さんをみると、自分の机に座り、お弁当を開けてもう食べていた。

「有里さんもこっちで一緒に食べませんか?」

直真お兄様が声をかけたけど、有里さんはビシッと手のひらをこっちに向けた。

「気にしないでください。お昼休みは短いんです」

お昼休みが短い?
普通の会社と同じ時間だけど?
有里さんは真剣な顔でせっせとお弁当を食べると、さっと椅子から立ち上がった。

「私は向こうで休んでますね」

さっさと食事を終わらせた有里さんはスマホを二台とお茶のカップを手にして、ソファーのある来客用の部屋に消えていった。
なにをそんなに?
直真お兄様はわかっているのか、気にする様子もなかった。
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