ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「ち、違うんです。そこまで私は言ってないですよ!?」

「有里。俺と来い。八木沢専務がお前の旦那だとわかっていたら、あの時、さらっておくべきだった」

手を握り、汚れのない目で見つめてきた。
なんという、直真さんと正反対な人間―――

「よく旦那のいる前で口説けるな」

低い声に班目さんと清川さんが直真さんを見た。

「なんだ?有里。お前、浮気してたのか?」

「な、直真さん。キャラ崩壊してますよ」

「答えろよ」

「し、してないですよ!明らかに直真さん、ラブじゃないですか!?待ち受けだって、直真さんなのに!」

中学生時代の学ラン詰め襟姿。
私のイチオシを見せた。

「だ、そうだ。班目」

「お前が有里を脅すからだろ!この悪人が!」

「しゃ、社長!落ち着いて!」

清川さんが止めに入った。

「俺はお前を倒してやるからな!瀧平を悪の手から解放し、そして、有里を助け出す!」

「やれるものなら、やってみろ」

二人はにらみ合い、結局、会談はうやむやのうちに終わってしまったのだった―――


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