今夜もあなたと月、見ます。


「清純そうな子だよね」

「ああ。綺麗で真っ直ぐな強い心の持ち主だよ」

「でも納得いくよ」



「あの響紀が惚れるだけの何かがありそうな子だとは思った。一回しか見てないけど」


凛としてるよな

本当

花みたいだ


「…気をつけたほうがいいよ響紀」

「…」

「響紀の恋人だなんて知れ渡ると、頭の悪い風組の連中が変に動くかもしれない」

ああ

「ましてやあの子はこっちの世界を微塵も知らないだろ。それが目に見えてわかるからお前の弱点になりかねないぞ」

「…わかってる」



それはわかってる

でも

うん、俺もまだ未熟者だし…引くに引けないんだよ

逃したくない

そばにいてほしい



だから俺が守るし

それでももし、もし、万が一


晴に何か起こるようなもんなら



その時は




< 161 / 177 >

この作品をシェア

pagetop