Diary ~あなたに会いたい~
 いつも買っていた花屋の前を通り過ぎ、
一昨日の夜、何となく歩いた脇道を、今日は
確かな目的を持って歩き始めた。

 大通りの信号を渡って店の前に立つ。
 大きな窓ガラスの向こうに彼女の姿を見つ
けて、僕の心臓はどきりと弾んだ。

 あの夜と同じ、白いシャツに黒いエプロン
姿の彼女が、陽だまりの中でじっと花を眺め
ている。



-----綺麗だった。



 僕は店に入れぬまま、しばらくその場に立ち
尽くしてしまった。
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