ムカつくアイツは私を愛す?!

「こんな小さい会社選んだの誰。」

俺の声だけが響く、
誰も声を上げない。

「誰が選んだ。」

その声に周りが息を飲む。

ふと目の端で女が立ち上がるのが見えた。

真っ直ぐな黒髪をひとつにまとめ、
カツカツとヒールを鳴らし、
スタイルも姿勢も良い女が、

そのまま台に上がっていく。

プレゼンをしていた女は
「社長っ。」

そう呼んだ。

そしてマイクを奪った。
< 15 / 30 >

この作品をシェア

pagetop