ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「よかったね。」

保健室を出ると
香織がニコッとして微笑んだ。
同じ女の子からしても、綺麗だと感じる。

「本当すみません。
先輩達の貴重な時間を…。」

舞が申し訳なさそうに謝った。

「何でー!?全然大丈夫だよ。
それに、ちゃんと女の子を助けてあげれる
ところ、惚れ直しちゃったから。」

サラッと甘い言葉を言う香織。

「…何もなくてよかったな。」

稜も優しく微笑む。

「はい!ありがとうございました!」

舞もペコッと頭を下げる。


「あー、でも稜と付き合うことに
なるきっかけも、稜が助けてくれた
からだったよね。」

「…あー、そうだったっけ?」

稜が遠い目をする。

「そうだよ。私が1年生の時に
部活での体力づくり中に、熱中症で
倒れちゃって…
たまたまバスケ部で外走ってた稜が
保健室連れてってくれてさ。」

「わー!何ていいタイミング!」

「…しかも、私ずっと稜のこと
憧れててさ、保健室で目ぇ開けたら
稜がいるんだもんっ!
もうこれは告るしかないって思って!」

「キャー!!!」

舞が興奮して両頬に手をやる。

「んで、そっこーで振られたよね!?」

香織がふっと笑った。

「何でですかー!?
こんな綺麗な人を目の当たりにして。」

舞が稜を責める。

「…だって、倒れた人に急に好きです
って言われても信じられなくね?」

稜がぼそっと呟いた。

「だから、それから当たって砕けろ精神で
バスケ部の試合とか応援に行ったり
差し入れしに行ったり、帰る時間合わせたり
とにかく稜の視界に入るようにしたの。」

「…そうそう、ストーカーかよって感じ。」

「えー、香織先輩が追いかけたんですね。
とっても意外でした。」

「だって、やっぱり稜の真っ直ぐで
優しいところとか、部活でめちゃめちゃ
努力してるところとか、後輩の立場だったけど
大好きだったから。」

香織が幸せそうに微笑んだ。
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