ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
20分ほどで克の家に着いた。

キキッ

玄関先に自転車をとめる。

「ただいまー。」

克が声を出して玄関のドアを開いた。

「あら〜。舞ちゃん、いらっしゃい。」

奥から克のお母さんが出てきた。
おっとりとした感じで
顔は克によく似ている。
優しさが溢れている感じだ。

「はじむ、…初めまして。
若松舞です。並木中卒です。克くんと
…お、お付き合いさせていただいています。
いつも部活帰りも送ってもらって
遅くなってしまってごめんなさい。
これから、よろしくお願いします!」

緊張で少し声がうわずる舞。

「舞ちゃん、ちっちゃくって可愛い〜。
声も可愛いわね。この家男ばっかだから
娘ができたみたい♡
克は、ずっと剣道ばっかりで
恋愛興味なしみたいな子だったから
本当よかったわー。よろしくね。」

にこにこのお母さんに舞の顔も綻んだ。

「お兄ちゃんたちは大学で
家出てるからゆっくりしてね。
私ももう出かけるから
適当に克とご飯食べてね。」

「あ、ありがとうございます!嬉しいです。」

「ふふ、舞ちゃん本当可愛い。
克、あんた捨てられないようにね!」

「…うるさい。」

克も顔を赤くして言った。
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