西岡三兄弟の異常な執着
「幸運かぁ~」
花苗を後ろから抱き締めている、朱雀。
「ん?花苗?」
「そんなこと初めて言われたなぁと思って……!」
「運じゃないよ!」
「え?」
「運命だよ!
………って、それも“運”か(笑)!!」
呟く花苗に、朱雀が後ろから覗き込み言った。

「僕と花苗は、運命に導かれてここにいる。
奴等が言うような、簡単な関係じゃない!」
「朱雀…うん、ありがとう!」
微笑み朱雀を見つめる花苗を、朱雀も見つめ返し口唇を寄せてきた。
「可愛い…」
そう呟いて、口唇を重ねた。
「もう…////」
恥ずかしそうに顔を赤くする、花苗だった。

「でもよ、幸運ってバカなの?コイツ等」
黄河が言う。
「バカなんじゃない?
だって自分達が、幼なじみだったら俺達と対等に付き合えると思ってんだから!」
真白も賛同する。
「自分のレベルがわかってない。
僕達兄弟が花苗と対等なのは、幼なじみだからじゃないのに……」
「え?」
「え?って花苗、そんな風に思ってたの?」
「幼なじみだからってゆうか、朱雀と恋人同士になって結婚できたからだと思ってた」
「違うよ」
「え?」
「もし花苗が僕と恋人同士じゃなくても、結婚してなくても、僕達は花苗と一緒にいるはず」
朱雀の言葉に、目が点になる花苗。

「まぁ、早い話……俺達が花苗を気に入ってるってことだな!」
不思議そうな花苗に、黄河が言った。
「俺も、苗は好きだよ!兄ちゃん達の次にだけど!
苗は大切な姉ちゃんだよ!」
真白がニコッと笑って言った。
「俺も朱雀や真白と同じように、花苗が大事だ!」
「僕は、世界で一番愛してるよ!僕の花苗!」
少し微笑んで言った黄河と、満面の笑みで言う朱雀。

「みんな、ありがとう!私も三人共が、大事だよ!」

「さぁ……明日から、楽しみだな!」
そして黄河の不敵な笑いと言葉が、部屋に響いた。
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