西岡三兄弟の異常な執着
「朱雀が嫌がるんです。
ちょっと過保護なとこがある人なので……」
「そうですか……」

山田は心の中で、舌打ちをする。
なんとか、うまく外に出して痛い目を見せたいと考えていた。
「今日、朱雀に相談してみますね!
今日みたいな日は、外に出ていいかどうか」
山田の企みをよそに、花苗は微笑み言ったのだった。


「「「はぁぁ!?」」」
「え!?三人共、どうしたの?」
「誰だ!?そんなこと言った奴」
夕食後は必ず、二階のリビングで家族の団欒をしている三兄弟と花苗。
早速話してみた花苗。
すると三兄弟は、声を荒らげたのだ。

「黄河さん、そこまで怒らなくても……」
「花苗、誰?そんな酷いこと言ったの」
「朱雀まで……山田さんだよ」
「あのキモい女か……」
「え?真白くん?」
「あの女、ヤらしい顔で見てくるからやだ!」
「どうゆうこと?」
「山田って、たぶん真白のこと好きなんだよ」
不思議そうな花苗に、朱雀が答えた。

「だから、花苗が邪魔なのかもな」
「え?」
黄河の言葉に、今度は目を丸める花苗。
「何を企んでるか知らねぇが、気をつけろよ?花苗」
「黄河さん?」
「わかったか?」
黄河の鋭い目。
「うん、わかった」
花苗は、静かに頷いた。

しかしまた後日━━━━━━
「え?朱雀がですか?」
花苗はまた、山田に外でランチをするように声をかけられていた。
今度は朱雀の名前を出して、なんとか外に出そうとしていた。

「えぇ、若様が一緒にと……」
「でも、私には何も……」
「あ、それは!
一人では外に出るなって言ってる手前、そんなことは言いづらかったらしくて……」
「………わかりました。では、今日はお外でランチしますね!」
おかしいなぁとは思っている。
でも頭から疑うのは失礼と思い、山田の話を信じることにした花苗。
外に出て、朱雀に連絡しようと思い久しぶりに一人で外出したのだった。
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