西岡三兄弟の異常な執着
「ごめんね!お待たせ!」
「遅い!」
「ご、ごめんね!」
必死に謝る花苗と、かなりご立腹の真白。

「早く中入ろ!」
真白がそう言って、屋敷へ向かった。

「……ったく、相変わらずワガママだ。
まぁ、そんなとこも可愛いが!」
黄河が真白の後ろ姿を見て微笑む。
「怒らせちゃった……
今日は、いつもより機嫌が悪いみたいだね……」
花苗が呟く。
「ほら…今日の真白、朝から思い通りにいかないことばかりだから……
花苗が心配することじゃないよ。大丈夫!」
花苗の頭を撫でながら言った朱雀。

「でも早く機嫌を直させないと、夜が大変になるな……」
「そうだね…」

今日は、西岡電力グループ・80周年のパーティーだ。

その為、黄河と朱雀は心配していた。
機嫌の悪い真白のことだ。気に入らないことがあると、すぐに手を上げるだろうと。
「じゃあ…とりあえずこれ以上、機嫌を損ねないようにしなきゃだね」

それから黄河達四人は遊戯室に向かい、リバーシやダーツ、トランプなどゲームに付き合い、全て真白に勝たせて機嫌を取り戻させた。
「フフ…花苗、弱っ!!」
「もう!少し位、手加減してよ!真白くん、強いんだから!」
「フフ…やだよ~(笑)」

「少し、機嫌が戻ってきたな」
「そうだね。この分だと大丈夫かな」
黄河と朱雀が、真白と花苗を見ながら呟いたのだった。

「失礼いたします。ご主人様、若様、坊っちゃま、花苗様。もうそろそろ、パーティーのご準備をお願いします」
ちょうどそこに、森宮が遊戯室に入って来る。
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