西岡三兄弟の異常な執着
「あ、いえ…こちらこそ、真白くんがあんな乱暴なことを………」
花苗が頭を下げた。

「あの…」
「はい」
「大変失礼なんですが、貴女は会長様方とどのようなご関係なんですか?」
篠田が恐る恐る聞いてきた。

「あ、申し訳ありません!ちゃんと、ご挨拶もせず……
私は朱雀の妻の花苗と申します。
すみません、私はあまりパーティーには出席しないのでご存知なかったですよね……」
「そうだったんですね。社長様の奥様でしたか…!
…………あ、では!社長様に口添えいただけませんか?」
「え?構いませんが、どのような用件ですか?」
「社長様のもう一つの仕事の事でといえば、わかっていただけますか?」
「あ……そうなんですね。
でしたら、お力にはなれません」
「え?どうしてですか?」
「朱雀の……いや、主人のもう一つの仕事の事は、私は一切関与できないんです。主人に叱られるんです」
「そんな……そこをなんとか、お願いできませんか!?」
「そ、それに……大臣の貴方が、朱雀のような人に関わらない方が……」
「は?そんなこと、わかってるよ!
それに!君だって、そんな男と結婚してるじゃないか!?」
花苗の言葉に、思わず花苗の肩を掴み詰め寄る篠田。

バン━━━━━!!!!
そして花苗は篠田に、更に壁に押さえつけられ追い詰められた。
花苗は恐怖で震え始める。
普段一人では外に出ない花苗。
その為、西岡三兄弟と森宮、その他使用人以外とは関わることのない花苗。
そんな花苗にとって、あまり関わりのない人間…しかも男性にこんな風に責められることは恐怖でしかない。

「や、やめてください……」

「だって君は……ヤクザの女ってことだろ━━━!?」
「━━━━━━!!!!」
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