西岡三兄弟の異常な執着
朱雀
次男の朱雀は、穏やかな性格の30歳。
そして、妻の花苗を盲愛し狂愛している。
もちろん黄河と真白の事も大切だが、一番は“花苗”である。

そして朱雀は、会社での社長職と別に西鷹組・若頭でもある。
使用人達に“若様”と呼ばせるのには、その為だ。

三兄弟の伯父・鷹志が西鷹組の組長だ。

鷹志にも、一人息子がいる。
それなのにどうして穏やかな性格の朱雀が、若頭なのかというと………
三兄弟の中で、一番冷酷で無情だからだ。
血も涙もない、残忍な組織で有名な西鷹組。
朱雀のような人間は、適任なのだ。

この穏やかな性格の中に、黄河や真白でさえも恐ろしいと思わせる残虐さを隠しているのだ。

そんな朱雀。
花苗は朱雀が、ヤクザの若頭だとはもちろん知っているが、実際の若頭姿は見たことがない。

朱雀が頑なに見せないからだ。
それに加えて、朱雀のヤクザ関係には関わることを禁じている。
例外として朱雀の一番の部下・基一だけは、花苗の護衛につかせることがあるが、それのみに徹底している。

そして、本日のパーティーに戻る━━━━━━━━
「何やってんの……!!?」
朱雀の声が響いた。

声の聞こえた方に顔を向けると、三兄弟と森宮がいた。
「あ……朱…雀…助けて……」
そしてそのまま花苗は、壁にズルズルとずり落ち、へたりこんだ。

「花苗(苗)!!!」
「花苗様!?」
真白がタタタ…と駆けてきて、篠田を花苗から引き剥がした。
そしてそのまま床に投げつけた。
「ううっ…!!!」
真白が篠田を見下ろし、睨みつけている。

「お前さっきから失礼な上に、最低だな。
花苗に何をしようとしていた!?」
黄河も篠田を見下ろし言い放った。

「私は!奥様に、仕事の件でお願いを━━━━━━
うがぁぁぁーーーー!!!」
篠田はまた瞬間的に、今度は朱雀に顔面を踏みつけられていた。
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