西岡三兄弟の異常な執着
「俺の花苗に…気安く触るんじゃねぇ……!!!
このまま、死ね……!下衆!!」

完全に頭に血が上り、キレた朱雀。
口調や態度、言葉遣いまで……全て変わった。

この朱雀の姿に一番驚いているのは、篠田ではなく花苗だった。
「この人は……誰……?
朱雀は……どこ━━━━━」

パタン━━━━━!!!
花苗は、あまりのショックで気絶した。

「花苗!!?」
「苗!!?大丈夫!?」
「大丈夫みたいです!気絶しただけのようです!」
黄河と真白と森宮が、花苗の元に駆けつけ具合を診る。

「森宮、花苗を車に連れていけ!
あと、基一を呼べ!!」
「はい!かしこまりました!!」
森宮が花苗を抱き上げ、リムジンの方に向かった。
それを確認した黄河と真白は、朱雀に向き直った。

「朱雀、もう花苗を安全なとこに移したから好きにしていいぞ!」
黄河が朱雀に言った。
「朱兄ちゃん、基一も呼んだからね!」
真白も続けて言った。

「………あぁ。
じゃあ…遠慮なく……地獄に落ちろ……下衆大臣」
踏みつける力を強くする、朱雀。
「うがぁぁぁーーーー!!!」
鼻の骨が折れたのだろう。
篠田の顔から血が流れる。
そのまま篠田は、息絶えた。

そして踏みつけていた足を退けた朱雀。
「もう、この靴いらない!穢れたし!」
靴を脱ぎ、靴下姿になった。
もう、いつもの朱雀に戻っていた。

「若様!」
「基一!ごめんね~
“コレ”よろしく!」
「はい!お任せください!」
「兄さん、もう…帰ろ?僕、疲れちゃった!
花苗を抱き締めて、眠りたい!」
「あぁ。そうだな!」
「朱兄ちゃん、お疲れ!
でも、靴は?どうするの?森宮に買ってこさせる?」

「このまま帰る。
早く花苗を抱き締めたい」
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