西岡三兄弟の異常な執着
「………」
花苗は水樹達に気を遣い、声をかけたのだ。
そう…水樹達は正直、聞きたいことは沢山ある。
でも、誰一人…何も聞けなかった。

「あ…ごめんなさい。
何もなければいいの。
引き止めてごめんなさい……!」
花苗は少し微笑んで言った。

「花苗様、お気を遣わせて申し訳ありません。
あとは僕が指導致しますので……」
「えぇ、そうですね!
じゃあ、改めて……
初めまして、次男・朱雀の妻の花苗です。
えーと、 松久さん、山田さん、斉藤さん、塩見さん、水樹さん。
こちらこそ、よろしくお願いします!」
頭を下げ、再度微笑み挨拶をした花苗だった。

「もういいか?花苗」
「うん、黄河さん」
「じゃあ、行こ?花苗」
頭をポンポンと撫でた、朱雀。
「うん」
「苗~!また勝負しよ?」
「いいよ!でも真白くん、手加減してね!」
花苗には、優しく声をかける三兄弟。

四人が部屋を出たあと……
「塩見さん」
塩見をキッと鋭く見て、森宮が言った。
「あ、はい」
「あのような発言はもう、やめてください!」
「申し訳ありません」
「では、最初にお連れした部屋に行っててください。
僕は再度、謝罪をして来ますので。
その後、明日からのことをお話します」
そう言って森宮は、足早に部屋を出ていった。



水樹達もこの豪華な部屋を後にし、心なしか足取り重たく指定の部屋に向かった。
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