西岡三兄弟の異常な執着
そして目元にキスをして言った。
「この可愛い目に、外界の人間が映るなんてやだよ。
僕だけを映してよ」
「朱雀…」
「わかってくれた?」
「うん…」

「はい!じゃあ…欠席の返事して?」
花苗を起き上がらせ、幹事の連絡先を指差した。
「てか、朱兄ちゃん」
「ん?」
「苗のスマホはダメだよ!」
「だな、朱雀。
森宮にさせろ!花苗の連絡先を知られるだろ?」
「あ!そうだね。
動揺して、気づかなかった……」
森宮を呼び出し、花苗の同窓会の欠席連絡をさせたのだった。



そして、次の日。

「お疲れ様でございますっ!!!」
部下達が、組事務所に入ってきた朱雀に頭を下げて挨拶をする。
「若様、理太郎さんが来られてます」
「ん。通していいよ」
基一が声をかけ、朱雀が了承すると理太郎が入ってきた。
理太郎は、花苗の高校の同級生だった男だ。

「若様、お久しぶりです」
「理太郎、何?」
「同窓会のことです。
どうして、欠席にさせたんすか?
久しぶりに花苗に会えるの楽しみにしてたのに……」
「やっぱ、君か!
おかしいと思ったんだよね……!
同窓会の案内なんて、来るわけないのになんでだろって!僕がそうゆうの花苗の耳に入れさせないようにしてるのに」
デスクチェアにもたれかかり、足を組んで座っている朱雀。
理太郎はデスク前に立って、朱雀を見据えていた。

「だからですよ。
わざわざ手紙で知らせたんです。
ハガキにすると、花苗に見せる前に処分されますよね?」
「フフ…考えたね~」
「だって、花苗に会いたかったから……」
「あのさぁ!!」
「え…!?」

途端に朱雀の声量が大きくなり、理太郎がビクッと震える。
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