天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
勇悟はその後も色々悩んだ結果、お菓子はひとつも選ばず、無添加のインスタント味噌汁、ひとり用の鍋の素、ゆず風味ドレッシングという、かなり所帯じみたラインナップの買い物をしていた。
「うーん、侮れないな、佳味百花」
「でしょ?」
「ああ。絢美が何度も足を運びたくなるのもなんとなくわかったよ。つーか、食べ物ばっかり見てたら腹が減ったな。そろそろ時間だし、レストラン行くか」
「そうだね。私もお腹すいた」
佳味百花のあった二階からエレベーターに乗り、一気に高層階へ移動する。
勇悟が予約してくれたのは人気のフレンチレストランで、案内されたのは横浜の市街地の夜景が一望できる窓際の席だった。
シックな内装や調度品、スタッフの洗練されたサービスに、買い物中のくだけた雰囲気とは打って変わって、ゆったりした大人の時間が流れる。
予約時にクリスマス用のコースを頼んであるので、食前酒のシャンパンと、コースの料理に合うワインをソムリエに注文した。