天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~

「ホントに好きなんだな。いつでも行けるのに」
「そりゃひとりならね。でも今日は勇悟と一緒だから意義があるんじゃない」
「はいはい。どこへでもお供しますよ」

 やる気のない召使いみたいな返事をした勇悟だけど、実際に佳味百花の店舗に到着すると、彼も結構興味津々だった。

「あ、このブラウニー、向こうの病院でよく食事代わりに食べたな。濃厚でうまいんだ」
「そうなんだ。確かに、メイドインカナダって書いてある。買う?」
「いや、しばらくはいい。今はどっちかというと、日本の味に飢えてる」
「そういうことなら、こっちにいいのがあるよ」

 全国津々浦々のお菓子を取りそろえたコーナーに案内すると、勇悟の目の色がますます変わる。

「なんか、見たことないのがいっぱいあるな」
「うん。よく百貨店の物産展にあるような銘菓じゃなくて、美味しいのにまだ日の目を見ていない商品をこんなにたくさん見つけてくるバイヤーって、やっぱりすごいよね」

 私が話している間にも、勇悟は棚に並んだ商品に夢中になっている。カナダから帰国してまだ一週間だから、本当に日本のものが恋しいみたい。

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