天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
彼の部屋は単身者用の1LDKながら広々としていて、備えられている家具も、高級感あふれるものばかりだった。リビングのデスクには医学書やノートが開かれたままになっており、勇悟らしいなと微笑ましくなる。
その後もなんとなく部屋を観察していたら、ひと足先にソファに腰を落ち着けていた勇悟が私を呼ぶ。
「いつまでウロウロしてるんだよ。早くきて、こっち」
「う、うん」
緊張しながら勇悟の隣にちょこんと腰かけてみるものの、彼の方を見る勇気が出ない。
勇悟はそんな私を「緊張しすぎ」と笑って、顔を覗き込むようにして軽くキスをした。
勇悟はどうして、好きでもない相手にこんな甘いキスができるのかな。昔はあまり浮いた噂を聞かなかったけれど、海外に行って変わっちゃったのかな。ずっと男の人を知らない私とは違って、いろんな女性と経験があるのかもしれない。
「ねえ、勇悟」
「ん?」
「さっきのネックレス……せっかくだから、つけたいな」
「ああ、いいよ。つけてやる」
テレビの音も音楽もない静かな部屋で、勇悟に背を向けながらネックレスをつけてもらう。
彼の息が時々首筋にかかって、目を合わせてもいないのにドキドキした。