ファーストソング
第一章 立春、余命宣告
「もって、後1年でしょう。」

そう言われて両親も姉も涙を流した。


そんな中当事者である私、長瀬千冬(ナガセチフユ)の目から雫は落ちなかった。

私って何のために生まれたんだろう?
そう聞きたくても聞けない。


嘆いたって私の時間は変わらない。


来年の春、私はこの世界から消える。

だからその前に区切りをつけよう。


「短かったな…。」
そう呟きながら、Ustube(アスチューブ)という動画投稿サイトに最後の曲を投稿した。


曲名通りお別れをしよう。


「バイバイ、フユ」


━フユさんが『サヨナラ』を投稿しました。
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