ファーストソング
第三章 春分、冬と夏の覚悟 ━ 夏輝side
あれから一週間、俺は千冬ちゃんの元へ行けないでいた。


「なんか最近しょげてね?」
「あー、まぁいろいろあってな。」
「ふーん。佐久間のことだしどーせ大したことじゃないんだろ!」
「…ひっでぇな。」
「え?なになに?そんなにしょげてるの!?ごめんごめん!まさかそんなだと思ってなくてさ!で、どうしたんだよ?この慎太郎(しんたろう)様に言ってみな!」


コイツは篠原慎太郎(しのはらしんたろう)
1年の頃から同じクラスの前後の席の腐れ縁友達。

顔よし、性格よし、頭は悪いけど運動神経抜群のモテ男だ。


「言ったってどうしようもねぇよ。」
「…まじで、どうしたんだよ?」
「何でもないって。」
「何でもないってツラじゃないだろ。」
「…。」


こういう時はほっといて欲しいんだけど。

性格いいのも考え物だな。
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