ファーストソング
2
「ここ! 先生にお願いして用意したんだ!!」
そういいながら私を最前席の真ん中へと案内した。
た、確かにめちゃくちゃいい席だけど本当にいいのかな?
そう思いながら夏輝に押されるまま用意された席に移動する。
「出番はすぐだからさ! 確か時間ギリギリ分しか入れないんだよな?」
「そうだね」
「よっしゃ! 時間ピッタリに始められるようにガンバリマス!」
「頼むよ?」
「サー! イエッサー!」
夏輝が手をぶんぶん振りながら去っていく。
私は小さく答えながらきょろきょろとあたりを見渡した。
同年代の子たちが楽しそうにしている。
「…いいなぁ」
つい口から零れ落ちた。
長年しまってきた感情。
私がもう少し健康だったら、もう少し生きることができたら学校に通えていたかもしれない。
「じゃあさ着てみる? うちの制服!」
「え?」
唐突に話しかけてきたのはさわやかなイケメンさん。
「俺、夏輝の友達の慎太郎! アイツからよく千冬ちゃんのこと聞いててさ。 実際に会ってみたかったんだよな!」
夏輝が私のことを?
「私千冬です。 夏輝から聞いているって…?」
「ん? すっげぇ可愛い彼女がいるって話!」
「っ!」
そ、そっか。
すっげぇ可愛い彼女…。
嬉しい…!
「文化祭って結構中学生がくること多いんだよ。 高校選びの一つとして見に来てるって感じ!」
「そうなんだ」
「そうそう! だからその子たちように制服の試着会みたいなのがあってさ! ぜひどうかなって!」
「えっと…、うれしいんだけどこの状態でも着て大丈夫かな?」
私は車いすをぽんぽんっと軽くたたいた。
「全然大丈夫! 着替えるのは女子が手伝ってくれるし! 試着室はすぐそこだから! 千冬ちゃんがよかったらぜひ!」
「じゃあ、その、お願いしてもいい?」
「おう! 試着会一名追加でーーす!!」
そういうと慎太郎は車いすを押し始めた。
そういいながら私を最前席の真ん中へと案内した。
た、確かにめちゃくちゃいい席だけど本当にいいのかな?
そう思いながら夏輝に押されるまま用意された席に移動する。
「出番はすぐだからさ! 確か時間ギリギリ分しか入れないんだよな?」
「そうだね」
「よっしゃ! 時間ピッタリに始められるようにガンバリマス!」
「頼むよ?」
「サー! イエッサー!」
夏輝が手をぶんぶん振りながら去っていく。
私は小さく答えながらきょろきょろとあたりを見渡した。
同年代の子たちが楽しそうにしている。
「…いいなぁ」
つい口から零れ落ちた。
長年しまってきた感情。
私がもう少し健康だったら、もう少し生きることができたら学校に通えていたかもしれない。
「じゃあさ着てみる? うちの制服!」
「え?」
唐突に話しかけてきたのはさわやかなイケメンさん。
「俺、夏輝の友達の慎太郎! アイツからよく千冬ちゃんのこと聞いててさ。 実際に会ってみたかったんだよな!」
夏輝が私のことを?
「私千冬です。 夏輝から聞いているって…?」
「ん? すっげぇ可愛い彼女がいるって話!」
「っ!」
そ、そっか。
すっげぇ可愛い彼女…。
嬉しい…!
「文化祭って結構中学生がくること多いんだよ。 高校選びの一つとして見に来てるって感じ!」
「そうなんだ」
「そうそう! だからその子たちように制服の試着会みたいなのがあってさ! ぜひどうかなって!」
「えっと…、うれしいんだけどこの状態でも着て大丈夫かな?」
私は車いすをぽんぽんっと軽くたたいた。
「全然大丈夫! 着替えるのは女子が手伝ってくれるし! 試着室はすぐそこだから! 千冬ちゃんがよかったらぜひ!」
「じゃあ、その、お願いしてもいい?」
「おう! 試着会一名追加でーーす!!」
そういうと慎太郎は車いすを押し始めた。


