幼馴染 × 社長 × スパダリ

社長室のすぐ横には秘書課がある。
秘書課には室長の男性と女性の秘書が数名いた。

私はそこで秘書課の方々に挨拶をする。

「本日からお世話になります。月岡萌絵と申します。よろしくお願いいたします。」

室長は立ち上がり笑顔を向けてくれた。
「月岡さん、室長をしている相崎です。よろしく。」

室長は眼鏡をかけているが、奥の瞳は優しそうだ。
とても涼しげな端正な顔立ちだ。

しかし、女性はだれも私の挨拶に反応してくれない。
聞こえない振りをしているようだ。

私が案内された席に座ると、後ろからヒソヒソと話し声が聞こえた。

“月岡さんって社長の知り合いなの?”
“あんな地味な女が社長と知り合いなんてね”
“社長室付きの秘書なんて、何様のつもりなの…”
“悔しいけど、羨ましいよね…”

どうやら私は歓迎されていないらしい。
涼ちゃんは女性たちに大人気だった。

これからが思いやられる…


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