幼馴染 × 社長 × スパダリ


涼ちゃんは、私を自分の隣に立たせると、記者たちに向ってもう一度話し始める。

「彼女が僕の婚約者です。皆さん、温かい目で見守っていただけますでしょうか?星空さんには誤解をさせて、ご迷惑をお掛けしましたが何もございません。」


星空キララはお人形のように可愛いアイドルだ。
しかし、今の表情は鬼のように恐い顔になっている。
体がブルブルと震えているのが分かる。
…怖すぎる。

涼ちゃんは、それだけをマスコミの人達に伝えると、私の手を引いて会社の中へ戻ろうとした。

すると、後ろから女性の大きな声が聞こえた。
星空キララが叫ぶように話し出した。

「二階堂さん、何を仰っているのですか?嘘ばかり言わないでください!」

涼ちゃんは、星空キララに振り返った。
その表情は見たことが無い冷たい表情だ。
氷のような鋭い瞳。
私まで凍り付きそうになる。


「何が嘘だって?いい加減にして欲しいな。」


星空キララは泣きそうな顔をしている。
少し可哀そうだと思ってしまったが、元はと言えば彼女が仕組んだことだ。
自業自得ではある。

しかし、私も人のことは言っていられない状況だ。

集まったマスコミの記者達の注目が、今度は私に集まっているようだ。

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