幼馴染 × 社長 × スパダリ


その日は、忙しいのか涼ちゃんからの連絡は無かった。
恐らく、お祝いのパーティーなどが用意されていたのだろう。


私は興奮もあり、ベッドに入っても、なかなか寝付くことが出来なかった。


目が冴えてしまった私は、ベッドから立ち上がり、冷蔵庫のミネラルウォーターを取り出しグラスに注いだ。
それを口に近づける瞬間に手が滑った。

「------------っあ!」

グラスは大きな音を立てて床に落ち、砕けてしまった。


「…やだな、こんな時に。」


何故か解らないが、嫌な予感がしている。
これは涼ちゃんを見送った時の、モヤモヤした感じに似ている。

私は大きなため息をつきながら、砕けたグラスを拾い始めた。


(…何もなければいいけど…)


私の考え過ぎであって欲しい。
本来はおめでたい日なのに、なんでこんな気分になるのだろう。


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