幼馴染 × 社長 × スパダリ

翌日の夜、会社には役員と秘書課のメンバーが残り、涼ちゃんの結果を待っていた。

この賞はテレビでも中継される。
テレビの前に皆で座り、それぞれが祈ったり、そわそわしたりしている。
もちろん私もテレビの前で、手を合わせて祈るように結果を待っていた。


そして、ついにその瞬間がやってくる。


司会者が大きな封筒のようなものに、金色の鋏を入れる。
そこに今回の受賞者の名前があるのだ。



「今回の最優秀賞は…」

「リョウスケ・ニカイドウ」


英語なまりの日本語で名前が告げられた。
次の瞬間、テレビの前の全員が立ち上がり、大きな歓声と拍手をしている。
ハイタッチをして喜ぶ人たちもいる。

皆は私の手を握って、お祝いを言ってくれる。


「萌絵ちゃん、社長はやりましたね!!」
「おめでとうございます!!」


私は緊張が急に解けて、目の前が真っ白になった。
ペタンと椅子に座り込んでしまった。


(…涼ちゃん、すごいよ!おめでとう…)


表彰台に立ち、インタビューに答える涼ちゃんが、テレビに映し出される。
涼ちゃんは流暢な英語で、答えながら笑顔を見せている。

長身でスタイルの良い涼ちゃんは、タキシードも見事に着こなしている。
ゲストとして呼ばれている、俳優にも負けていない。

(…涼ちゃん、かっこ良すぎるよ…)
< 62 / 71 >

この作品をシェア

pagetop