妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
食後はデセールのカスタードクリームに真っ赤な苺が添えられたミルフィーユを頂いた。

父の作る和菓子もいいけど、洋菓子もダイスキ。
「白井さん、この後…美晴さんと結婚後の生活について…二人でお話がしたいのですが…宜しいですか?」

「私に遠慮なさらず…美晴とお話下さい…凪良社長」

「…では遠慮なく…美晴さん…俺と一緒に来て下さい…」

「え、あ…はい・・・」

帯が苦しくて、コース料理を全部堪能できなかったけど、苺のミルフィーユだけは完食した。

*******

両親とは店の前で別れ、私は凪良社長の後を付いていった。
エレベーターホールについた途端、間宮さんが持っていたカードキーを凪良社長に渡した。
二人で話ってホテルの部屋で話をする気?

「どうぞ…」

「サンキュー…」



凪良社長と間宮さんは私に背を向けて何やら話をする。
声が小さく何を話してるか聞き取れなかった。
そうしている間に、エレベーターが一基停止した。

「行くぞ…」

凪良社長は強引に私を袖を掴んで、エレベーターの中に引き込んだ。

間宮さんはエレベーターには乗らず、一礼して私達を見送った。

< 38 / 111 >

この作品をシェア

pagetop