妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
唯子を儲けるだけの行為。

肌を幾度も重ねても、他の夫婦にはある愛が私達にはない。

私は杯の中のお酒をグッと煽った。

「いい飲みっぷりだな…」

「・・・」

「…振袖も良かったが…そのドレスも似合っている…」

「…今でも貴方は姉のコトを慕っているんですか?」

「どうしてそんなコトを言うんだ?美晴」

「・・・」

私は彼の腕の中で見たココロの中に燻る怒りを。


「…貴方の中に嫉妬や怒りを見たから…」

「…それは…一週間前…このホテルの最上階にある『プラチナ』で君の姿を見たからだ」

「えっ!?」

彼はあの日の夜…『プラチナ』に居た…

私の全身から血の気が失せていった。




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