妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
「何だか…怖い顔が余計に怖く見えるぞ…どうしました?凪良社長」

「いや…別に何でもない…」

「…!?」

「知也…俺にも彼を紹介してくれ」
「あ・・・紹介する…『オリエンタルオーシャン』の社長・凪良匡貴さんだ」
「貴方は…伊集院紡(イジュウインツムグ)さん」

「俺のコトは知ってるのか…俺は伊集院紡だ…ショーに俺の妻も参加するんだ…」

「そうですか…」

伊集院さんの妻・陽依(ヒヨリ)さんは一年前に亡くなられた氷室渚(ヒムロナギサ)会長の一人娘。

氷室家は横浜でも有名な旧華族。
凪良家も懇意にさせて貰っていた。

「陽依さんがモデルね…彼女は背が高いし…きっとプロのモデルと並んでも…見劣りはしませんね…」


「…凪良社長は陽依のコトをご存知なんですね…」

「まぁー・・・」
伊集院さんの目つきが急に変わり、俺を睨んでいた。

「クッ…全く…紡さんの独占欲は強すぎるな…」

「…ほっとけ」

俺たちも二人と観客席に腰を下ろし、ショーのリハーサルを見学した。








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